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2017年7月19日 (水)

「仮定法の帰結節になぜ必ず助動詞の過去形が入るのか」

弊塾の「固定されたツイート」で「仮定法の帰結節になぜ必ず助動詞の過去形が入るのか」で間違ったツッコミを入れる方がおられるかもしれないので念のために書いておきます。
「万一雨が降ったら洗濯物取り込んでおいて」のようなIf shouldで帰結説にwillなどが入る場合があるではないかというツッコミです。

 


残念ですが、If shouldは仮定法ではありません。直説法です。

 

「万一雨が降ったら洗濯物取り込んでおいて」ですが、If it should rain, bring in the laundry.となります。

 

命令文の前提の条件は、実際に起こる可能性があります。

 

実際に起こる可能性があると話者が思っているのですから明らかに直説法です。

 


これを仮定法と思っている方は「法」(mood)の根本がわかっていらっしゃいません。

 

法を表す英語moodはmōd(=古英語「心」「勇気」「気分」)を語源としていることからもわかるように、「気分」「心的状態」なのです。

 

話者がその文章の内容に対してどう思っているかが「法」です。

 


「もし私が鳥なら飛べるのに」も実は直説法になり得ます。

 

頭が少々ぶっ飛んだ人が、「昨日さ〜、神様が来てね、今日1日いい子にしてたら俺を鳥にしてくれるんだって。明日もし鳥になってたらさ(=もし鳥なら)、君のところに飛んでいくからね」という時、「もし鳥なら君のところに飛んでいく」というのは話者がありうると思っていますから直説法になります。

 


レベルの低い講師は「私が鳥……な訳ないでしょう〜、ね!」と言って強要して来ます。

 

こういう人物は「法」がわかっていない。

 

こういう人間から教わって「法」は絶対に根本からはわかりません(受験レベルの表面的でいいならいいのかもしれませんが…。私は絶対にそれを選択しません。)。

 


世の中夏期講習の真っ只中。

 

仮定法の講義があったら、上記の点で皆さんが受講している講師の力試しができます。

 

お試しあれ。

 

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