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2021年9月 6日 (月)

「先に設問を読むな」???

1990年代に早◯田予備校で教えていた時代の話です。(伏せ字は、今更昔いた予備校で検索されてヒットしても意味ないことだと思いまして)

現在の塾生さんには当たり前、そして世の中の受験生でも当たり前のことですが「先に設問に目を通し、こういう内容ではないか、とある程度の推測をする」ということを当時も教えていました。

 

実際に、ある程度の中身がわかりますし、先に設問に目を通すことで、「論点」がはっきりとして、さらに本文を読んでいるときに、設問解答のヒントに気づき、問題を解けたりする。

時間の節約になりますし、正確に問題が解けます。

 

しかし、その予備校の英語の先生の中に「先に設問を読むな」という先生がいたそうで、質問を受けました。

「池田先生と〇〇先生のどっちが正しいんですか?」

 

その先生がなんで先に設問を読んではいけないのか、その理由はなんとおっしゃっていたのか?と聞くと

「内容一致問題で先に間違っている設問を読むと混乱するからやめろ」なのだそうです。

 

例えば「環境破壊」が論点の文章。

その内容一致問題で「森林破壊のニュースは全て出鱈目だ、嘘だ」という選択肢があれば……(当然これは本文の内容と一致していない選択肢です)

森林破壊や環境破壊が論点の文章だと事前にわかる。

 

こういう間違った選択肢を読んで君は混乱するのかい?と聞くと「しません」。

なら先に設問を読みましょう、池田先生を信じましょう、ということで落ち着きました。

その「先に設問を読むな」という先生は翌年にはいなくなっていました。

 

このように出鱈目を言う人(特に先生)がいると、生徒さん達は確実に混乱します。(正しいことを言っている人も一瞬考えなくてはならず、私もいい迷惑でした)

こういうとき、どちらも自分が正しいと言い張るでしょうからその賢明な見抜き方:両方の言い分と、なぜそれが正しいのか、と言う両方の根拠をしっかりと聞きましょう。(正しい方が「なるほど」と思わせてくれます)

そしてそれでも判断がつかなければどちらにも質問攻勢(わかっているなら質問に流暢に答えられるはずです)。

 

真の学力向上は納得することを続けることです。

日本の英語の世界は、私には納得のいかないことだらけなので、今後も先人の歩まなかった道なき道を進みます。

スペイン語は……先人がしっかりしていたから本当に楽だったのですが、英語は自分が道を切り開き提示します。

 

とはいえ無理に池田に続く必要はないので、じっくり自分の頭で考えてください。

帰国子女でなんとなくでもわかっているならそれで十分でしょうし。

 

でも、鯨構文でthanの後ろにnotを付け加えるのとか、本当に狂気の沙汰なので、可能ならうちについてくることをお勧めします。

 

 

 

 

※鯨構文ってなあに?という方のために簡単に説明。(知っている方は読む必要はありません)

A whale is no more a fish than a horse is ( a fish).

英語では比較される二者は同種類。

thanの後ろが肯定文なので、肯定文と肯定文を比較しています。

 

A whale is a fish(鯨は魚だ)とa horse is a fish(馬は魚だ)を比較しています。

前者は、後者より「より多い(more)」「差がゼロ(no)」だ。

鯨が魚だというのは、馬が魚だというのより、多い差がゼロ。

 

→「鯨が魚というのは、馬が魚というのと同じことだ」となります。

(日本中で展開されている訳である「鯨が魚でないのは、馬が魚でないのと同じだ」は誤りです)

 

thanの後ろにわざわざnotを入れるのは、thanの前が「否定文」だからだというのでしょうが、そうではありません。

noは「差がゼロ」というところで役目を終えています。

no moreで「より多い差がゼロ」

 

その結果、A whale is a fishが残りますが、これは肯定文です。

この肯定文と、thanの後ろの肯定文を比べているのです。

非常に有名なルール、英語は同種のものを比較する、ということにしたがっているだけなのです。

 

肯定文をわざわざ否定文で訳している日本の訳文は間違っています。

「君にお金を貸のはドブに捨てのと同じだ」とは言いますが、

「君にお金を貸さないのはドブに捨てないのと同じだ」とは言いません。

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