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2022年8月17日 (水)

世の中の本の「過去形」と「現在完了形」の矛盾

「過去形」は「過去ではそうだった(けど今は違う)」という含みを持ちます。

「愛していたよ」なら「今は愛していない」というわけです。

 

仮定法過去という発想があります。

今と反する仮定は、現在形と逆の時制である過去形で表そうという考え方が根底にあると弊塾は考えています。

 

原則として過去現在逆のことを表すという心理があると思います。

 

さて現在完了形。

いろいろな本を眺めてきましたが、一冊を除いて全て「過去」という言葉を使って説明している。

継続なら「(過去から今まで)ずっと〜している」

完了・結果なら「(過去から始めて)ちょうど今〜したところだ(その結果…だ)」

経験なら「(過去から今までに)〜した経験がある」

………全て「過去」が入っています。

 

He has been sick since last Friday.「彼は先週の金曜日からずっと病気だ」

「先週の金曜日」を「過去」とすると、過去と今は逆ですから今は病気じゃないことになる。

しかし今病気です。(上の文章、先週の金曜も病気だったし、今も病気ですよね。しかしどちらも病気です。「現在」と「過去」は逆なんですよんね。説明つきませんよね。)

 

この矛盾を解消するためには「過去」という言葉での説明は完全にアウトです。(揚げ足取りではないですよ。りんごは落ちるのに月は落ちない、なんで?というのが揚げ足取りでないのと同じです。「過去」を使って説明する方がおかしくありませんか。おかしいです。「過去」と「現在」は逆なんですよね?過去形と現在完了形は違うんですよね?過去形と現在完了形に原則として接点はないのに「過去」を使って説明するから変なことになるのですよ。)

 

弊塾の最近の生徒さんなら(ここ3年ほどかな。それ以前は気づいていませんでした……申し訳ないです。常にわからないことをブツブツブツブツ言いながら考えています。)わかっていることですが、「過去」という言葉では現在完了形の矛盾なき説明ができません。

 

ここら辺が矛盾だと気づくことが現在完了形で納得のいく説明の第一歩です。

「一冊を除いて」という例外の本は上智大学名誉教授の清水憲男先生の「気軽に学ぶスペイン語」(NHK出版)

 

私は違う言葉を使っていますが、見事に「過去」という言葉を回避しています。(完了って過去じゃないんですよ。「過去」は時制[tense]で「完了」は様相[aspect]なので別物です。一見禅問答のようですが、、、分かりにくいと思うので、ここら辺も私は解消したつもりです。それを弊塾の生徒さんには教えています)

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上智大学外国語学部イスパニア語学科では「過去分詞」ではなく「完了分詞」です。

それゆえの用語の使用と思いますが、私としては、「完了形」を説明するのに「完了」という言葉は使いたくない。

 

これまたイスパニア語学科のフェリス・ロボ名誉教授が口癖のようにおっしゃっていた「定義の中に定義される言葉を入れてはいけない」(懐かしい…)を、池田流にアレンジした「説明される言葉[=曖昧]を説明[=明確]の中に入れてはいけない」という発想です。

 

じゃ何なのか、は企業秘密ですが(動画では公開します)、少なくとも「過去」という言葉を使って現在完了形は絶対に説明できません!!!!!(だって現在と過去は逆なんでしょ?英語業界、頑張れよ。イスパニア語[=スペイン語]の世界から見たら君らはこじつけだらけで幼稚だ)

 

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